オペラ入門の第一歩に◉ヴィントガッセン、ニルソン、ナイトリンガー、ショルティ指揮ウィーン・フィル◯ワーグナー・神々の黄昏
/通販レコードのご案内録音、臨場感、演奏全てが、満足できる域に達している。
《SONIC STAGE ワイドバンド ED3+ナローバンドED4混合盤》GB DECCA SET292-7 ショルティ ウィーン・フィル ワーグナー・神々の黄昏全曲 第3夜の《神々の黄昏》で、もとは戦乙女だったブリンヒルデを歌うのはスカンジナビア軍団と既に予行演習を済ませたフラグスタッドではなく、同じく北欧出身ニルソン。こちらもフラグスタッドに負けず劣らずのヴァイキング譲りの大きな体格から発せられる奥行きを伴った深遠な声は、ピッタリ適役です。ブリュンヒルデ歌唱の理想として不滅。このヒロイン・ブリンヒルデを演じられる(歌える)歌手は超限定されてくる。ソプラノに恵まれていた時代とはいえ、英デッカの人選は正しかったと思う。
魔法の指環を創造したアルベリッヒの子ハーゲンは父の遺志貫徹のために、指輪を奪うことを考えている。今の彼には異父兄弟のグンターとグートルーネがいる。ジークフリートに過去の女性を忘れさせる薬を飲ませてグートルーネに求婚させ、その条件にブリュンヒルデを騙してグンターと結婚させる。夫の裏切りを知り、怒ったブリュンヒルデはハーゲンにジークフリートの弱点を教える。狩りで記憶を戻したジークフリートはハーゲンに殺されてしまう。ブリュンヒルデは夫を焼く火の中に飛び込むと、ワルハラ城も炎上してしまうという何とも云えない壮絶なストーリーだが、神話の世界のことだと片付けられないような現実感。現代の世界情勢は『指環』の呪いにかかっていたのか。
指環は人類史の一時代が没落してゆく、その発端、その過程、その結末を描いた物語だと観ることが出来ます。ワーグナーは指環によって、愛を失い、権力と富のみを追い求める19世紀の資本主義社会を批判したわけですが、その批判は21世紀の現代にもピッタリ当てはまります。稲妻を司る、神々の長ヴォータンは世界中の出来事を見聞きできる能力を得たい ― 現代のインターネットがこれか、はたまたスパイ衛星か ― ために槍の柄を削り出して世界樹を枯らしてしまい、アルベリヒはラインの河底に潜在していた黄金を強奪し、愛を呪って指環を作り上げます。
つまり指環には、世界没落の発端は自然収奪・破壊にあるという、毎日紙上を賑せているテーマをワーグナーは19世紀に警笛を鳴らしていたと云えるのでは。昨今の贈収賄・企業不祥事・偽造・捏造等々、最近では公約違反で話題沸騰の代表選挙で忙しい権力闘争中の某政党はこの指輪のストーリーを知っていたかのように自らシナリオ描いているようです。しかし、ワルハラ城が最近紙上を賑せている某政党や捏造&偽造大手企業等々にピッタリ当てはまるとは。“人間の欲望は何時の世も変らない”という結論です。ワーグナーの洞察力には頭が下がりっぱなしです。
通販レコード詳細・コンディション、価格
- レコード番号
- SET292-7
- 作曲家
- リヒャルト・ワーグナー
- 演奏者
- ヴォルフガング・ヴィントガッセン、ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ、グスタフ・ナイトリンガー、ゴットローブ・フリック、ビルギット・ニルソン、クレア・ワトソン、クリスタ・ルートヴィヒ、ルチア・ポップ、ギネス・ジョーンズ
- オーケストラ
- ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
- 指揮者
- ゲオルグ・ショルティ
- 録音種別
- STEREO
1965年10月29日~11月19日、ウィーン、ゾフィエンザール録音。
- ジャケット状態
- M-
- レコード状態
- M-
- 製盤国
- GB(イギリス)盤
オーダーは | 品番 / 34-23511 |
販売価格 | 16,500円(税込) |
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