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クラシックレコード情報

名曲、名演奏で職人技の名録音と三拍子が揃った*カッチェン&スーク ブラームス・ヴァイオリン・ソナタ

名曲、名演奏で職人技の名録音と三拍子が揃った*カッチェン&スーク ブラームス・ヴァイオリン・ソナタ

哀愁漂う旋律はブラームス以外にかけない名曲で、英Deccaの歴史に残る名盤にはケネス・ウィルキンスンの名前が必ずある。

GB DECCA SXL6321 カッチェン&スーク ブラームス・Vn奏鳴曲1-3番《英 ナローバンド ED4盤》GB DECCA SXL6321 スーク&カッチェン ブラームス・ヴァイオリンソナタ1番/2番/3番 カッチェンがソロで弾くときは、速めのテンポで力感・量感のあるタッチで弾くことが多いのに、ピアノ伴奏をしている時は、やや控えめな柔らかいタッチで、ヴァイオリンにぴったり寄り添うような奥ゆかしさ。ブラームスの室内楽を聴くときは、いつもこのヴァイオリン・ソナタと、シュタルケルも加わったピアノ三重奏曲。ブラームスのヴァイオリン・ソナタは、ヴァイオリンは旋律・分散和音主体で旋律を朗々と歌うのに対して、ピアノはかなり響きに厚みがあって凝った書法で、どうしてもピアノが目立ちがちになる。
 甘い音色とロマンティックな旋律でしっとりと優しい雰囲気のヴァイオリン・ソナタの第1番、副題の「雨の歌」はブラームス自身がつけたのではなく、第3楽章の冒頭の旋律が歌曲「雨の歌」から引用されていることからつけられた通称のようなもの。特に「雨」について歌った曲ではないと言われている。

自作を聴いた聴衆から「天国に持って行きたい」と言われたら作曲家は相当嬉しいと思う。そう言ったのが、親しい女性だったら尚更である。実際にクララは、こういってブラームスのヴァイオリン・ソナタ第1番 op.78 を誉めた。ブラームスの喜びはいかほどだっただろう。どうもこの作品は女性たちの感性に深く訴えるようだ。才色兼備のリーズルことエリザベート・フォン・ヘルツォーゲンベルグはヴァイオリン・ソナタ第1番を自分に献呈して欲しいとねだったのだ。ところが誰にも献じられていないのは深い訳がある。
クララの最後の子供フェリクスは、元来病弱だった。ヴァイオリンを嗜んだというフェリクスにちなんで、ブラームスはヴァイオリン・ソナタ第1番の第2楽章の冒頭部分の楽譜を24小節にわたって引用した手紙でクララを慰めたのだ。薬石効無く、フェリクスはこの世を去る。ヴァイオリン・ソナタ第1番の完成はその年の秋である。その演奏を聴いたクララは、「雨の日には幼い頃を思い出す」という趣旨のテキストをもつ歌曲「雨の歌」の旋律で始まる第3楽章中で、この旋律が回想されるのを聴くに及んで「天国に持って行きたい」と称した。

 しかし、「雨の歌」は冒頭から柔らかで美しい響きと優しげな雰囲気を持ち、その上に、スークとカッチェンが弾く「雨の歌」は軽やかで繊細さがあるので、窓の外でパラパラと降っている小雨が、時々強くなったり、風に吹かれて由来で降る音に、音楽がしっくりハーモニーを作るのに趣を感じるのです。振りが強くなって時折音楽が霞んでしまうのもファンタジーに浸らせてくれるし、曲が終わる頃に空が明るく晴れ間を見せたりすると、それこそ天の意志を感じるのです。わたしがブラームスを意識して聴いた最初は交響曲第1番でした。何度か繰り返し聴いて、音楽の流れを覚えてしまったぐらいの時でした。夕方聴き始めて、第3楽章から第4楽章に入ったぐらいの時に西陽がレコード・プレーヤーを包み込んだ時に、この音楽を心で感じてしまいました。それから時を得て、《ドイツ・レクイエム》を聴いた時にブラームスと対面した思いがして以来、宗教への敬虔さをブラームスにいつも感じています。
 ちょっと雨の音を聴きながら物想いにふけっているような穏やかさがあって、うっとりと聴いてしまうスーク&カッチェンの全集は、カッチェンが亡くなる2年前の1967年録音。この録音当時、カッチェンとスークは40歳前後。音楽の方向性も似ているところがあったせいか、呼吸がぴったり。スークの美音に加えて、カッチェンのピアノの優しく甘い繊細な響きがとても綺麗で、淡い陰翳のあるとても爽やかな叙情感のブラームス。美音で有名なスークのヴァイオリンは、朗々と歌うけれど情緒的にまではならない。音は引き締まってはいるけれど深みも暖かみもあって、豊潤な響きではなくて、ちょっと線が細いが気がするけれど澄んだ響きと細かいニュアンスに落ち着いた品の良さを感じさせる、とても美しい音がする。
 カッチェンのピアノは、1960年代後半はかなり演奏の内容が深化して、弱音のタッチや響きが繊細になっていった時期。このヴァイオリン・ソナタ全集もその時期の録音なので、その頃のカッチェンのピアノの弾き方の特徴が良く出ている。ブラームスのピアノ曲全集を録音した時とは違って、ほの暗い翳りが少ない音色。とても柔らかで優しく、透明感のある美しい響きに、ピアノ独奏の時よりも美しいかもしれないと感じさせる。スークのヴァイオリンの表情に変化にぴったりと合わせていて、寄り添うようなピアノがとても奥ゆかしい。ピアノが前面に出るべき時はしっかりと出ているけれど、力強くフォルテで弾く時でも、ヴァイオリンと調和させていくような気遣いが感じられたりする。ピアノは両手十本の指で、和声を奏でられる楽器だけど、ヴァイオリンや管楽器の様に余韻を引くことは出来ない。
 合わせて弾くことは格別なのだろうなぁ、と思える典型例、何十年聞いているか数えるまでもないけれど、聴いている間は、まるで即興演奏のライブ録音のようです。それもそのはず録音エンジニアは高名なケネス・ウィルキンソンです。この曲に楽譜があることを疑わせるほど、すべての音が2人の霊感から生まれていて音楽が今まさに即興されているように聴こえます。このレコードはエンジニアの職人気質が垣間見られる名曲、名演奏で名録音の三拍子がそろっています。

1967年、キングスウェイ・ホールでの録音。

通販レコード詳細・コンディション、価格

GB DECCA SXL6321 – Josef Suk, Julius Katchen – BRAHMS ‎– Violin Sonatas Nos1,2,3

レコード番号
SXL6321
作曲家
ヨハネス・ブラームス
演奏者
ヨセフ・スク ジュリアス・カッチェン
録音種別
STEREO

販売レコードのカバー、レーベル写真

GB  DEC  SXL6321 スーク&カッチェン  ブラームス・…GB  DEC  SXL6321 スーク&カッチェン  ブラームス・…

NARROW BAND ED4, STEREO 1枚組(140g), Release 1967, Stamper 5W/6W。

ジャケット状態
M-
レコード状態
M-
製盤国
GB(イギリス)盤

通販レコード

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オーダーは 品番 / 34-19030
特別価格 3,080円(税込)
通常価格 3,850円(税込)

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くつろいで居心地のよい音楽◆室内楽のカミ曲 ウィーン八重奏団 メンデルスゾーン 八重奏曲

くつろいで居心地のよい音楽◆室内楽のカミ曲 ウィーン八重奏団 メンデルスゾーン 八重奏曲

通販レコードのご案内音楽の喜び・楽しみを共にわかちあい、輝いていた黄金時代のウィーン・フィルの心。意気のようなものが充満している。

GB DEC LXT2870 ヴィエンナオクテット メンデルスゾーン 八重奏曲(フラット210g重量盤・金文字初出)《英オレンジ金文字フラット盤》GB DECCA LXT2870 ヴィエンナオクテット メンデルスゾーン 八重奏曲(フラット210g重量盤・金文字初出)

 淡々とした美しさを奥深い透明感で貫いて描ききる素晴らしい名演。ウィーンの名手達が弾力的なリズム感と固い構成感で全体を見失わせない実に上手い設計で聴かせてくれる。
 一貫して広がりを持った、豊かで伸びやかな感性に溢れている。こうした表現は、当時のウィーン・フィルのトップ、ボスコフスキーやヒューブナーらの名手。気心の知れたメンバーによる演奏ということもあるのでしょう、きっちり作り上げた精密感よりも余裕と慈しみを感じさせる秀演。モーツァルトでもそうですが、こういうくつろいで居心地のよい音楽はこの団体の十八番ですね。
 メンデルスゾーンの八重奏曲は、明るく爽やかな初期ロマン派の雰囲気と若き天才の瑞々しい感性に彩られた名曲です。アントン・フィーツのリーダーで1972年にステレオ録音されていますが、本録音はステレオ盤はありません。

 この弦楽八重奏曲はメンデルスゾーンが、16歳の時に作曲した作品です。友人でヴァイオリンの先生のお誕生プレゼントとして作曲された曲だそうですが、裕福な家庭に生まれて何不自由なく育った作曲家が、16歳で作曲したということを割り引く必要は全くない、完成度の高い楽曲です。この楽曲はヴァイオリンが4人、ヴィオラが2人、チェロが2人となる弦楽四重奏×2の編成です。ロックで言えば、ツイン・ドラムにツイン・リードのようなイメージでしょう。音の厚みが凄い、とても若々しくて瑞々しい室内楽のカミ曲です。
ウィーン八重奏団は1947年、当時ウィーン・フィルのコンサートマスターだったヴィリー・ボスコフスキーと首席クラリネット奏者だったアルフレート・ボスコフスキー兄弟を中心に結成された。ヴァイオリン2、ヴィオラ、チェロ、コントラバスの弦5人と、クラリネット、ホルン、ファゴットの管3人からなる。今日までウィーン・フィルの名手たちによって受け継がれてきた伝統の音色が魅力。
Ensemble – Members Of The Vienna Octet
Cello – ニコラウス・ヒューブナー Nikolaus Hübner, リヒャルト・ハラント Richard Harand
Viola – ギュンター・ブライテンバッハ Günther Breitenbach, フェルディナント・シュトラングラー Ferdinand Strangler
Violin – ウィリー・ボスコフスキー Willi Boskovsky, フィリップ・マタイス Philipp Matheis, グスタフ・スウォボダ Gustav Svoboda, フリッツ・ライターマイアー Fritz Leitermeier

1957年、ウィーン優秀録音、名演、名盤。

通販レコード詳細・コンディション、価格

プロダクト

The Vienna Octet ‎– Mendelssohn – Octet In E Flat Major

レコード番号
LXT2870
作曲家
フェリックス・メンデルスゾーン
オーケストラ
ウィーン八重奏団員
録音種別
MONO
ORANGE WITH GOLD LETTERING

販売レコードのカバー、レーベル写真

GB DEC LXT2870 ヴィエンナオクテット メンデルスゾーン…
GB DEC LXT2870 ヴィエンナオクテット メンデルスゾーン…

コンディション

ジャケット状態
M-
レコード状態
EX
製盤国
GB(イギリス)盤

通販レコード

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  • オーダー番号34-22573
  • 販売価格5,500円(税込)

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DECCA黄金期を代表する名盤◉アルフレッド・ボスコフスキー、ウィーン八重奏団員◯ブラームス・クラリネット五重奏曲

DECCA黄金期を代表する名盤◉アルフレッド・ボスコフスキー、ウィーン八重奏団員◯ブラームス・クラリネット五重奏曲

優秀録音として知られる素晴らしい名演です。

通販レコードのご案内《英デッカプレスLXT銀文字同等盤》GB LONDON CM9301 ヴィエンナオクテット ブラームス クラリネット五重奏/ワーグナー クラリネットの為のアダージョ

淡々とした美しさを奥深い透明感で貫いて描ききる素晴らしい名演。

  • ウィーンの名手達が弾力的なリズム感と固い構成感で全体を見失わせない実に上手い設計で聴かせてくれる。一貫して広がりを持った、豊かで伸びやかな感性に溢れている。こうした表現は、当時のウィーン・フィルのトップ、ボスコフスキーや当時のウィーン・フィルの管の名手勢揃い。
  • GB LONDON CM9301 ヴィエンナオクテット ブラームス クラリネット五重奏/ワーグナー クラリネットの為のアダージョ

当時のウィーン・フィルの ―― Anton Fietz, violin; Philipp Mattheis, violin; Gunther Breitenbach, viola; Nikolaus Hubner, cello; Johann Krump, double-bass ―― 名手揃い。勿論、クラリネット独奏は高名ウィリーの弟アルフレッド、ウラッハの正式継承者としてウィーン・フィルを支え続けた名手。もう室内楽と言うよりは、イ・ムジチクラスの編成。ウィーン・フィルの縮図を見 ― 聴いているよう。ジャケットも珍しくセンスが良く、このヴィエンナ・オクテットの演奏にピッタリ。

(演奏者)ウィーン八重奏団員 アルフレート・ボスコフスキー(クラリネット)
(曲目)ブラームス クラリネット五重奏 ロ短調 作品115/ベールマン(伝ワーグナー) クラリネットと弦楽五重奏のためのアダージョ
1961年4月録音

通販レコード詳細・コンディション、価格

プロダクト

レコード番号
CM9301
作曲家
ヨハネス・ブラームス リヒャルト・ワーグナー
オーケストラ
ウィーン八重奏団員
録音種別
STEREO

販売レコードのカバー、レーベル写真

  • GB LONDON CM9301 ヴィエンナオクテット ブラームス …
  • GB LONDON CM9301 ヴィエンナオクテット ブラームス …

コンディション

ジャケット状態
M-
レコード状態
M-
製盤国
GB(イギリス)盤
英デッカプレスLXT銀文字同等品, MONO 1枚組 (160g) 重量盤, Stamper 1A/1A。

通販レコード

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  • オーダー番号34-25891
  • 販売価格2,200円(税込)

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高麗青磁の危ういまでにつきつめた美しさ*チョン・キョンファ ラドゥ・ルプー フランク/ドビュッシー・ヴァイオリンソナタ

高麗青磁の危ういまでにつきつめた美しさ*チョン・キョンファ ラドゥ・ルプー フランク/ドビュッシー・ヴァイオリンソナタ

天に向かって音符がカーブを描いている。

通販レコードのご案内《英ナローバンド ED4 盤》GB DECCA SXL6944 チョン・キョンファ フランク/ドビュッシー・ヴァイオリンソナタ

  • GB DEC SXL6944 チョン・キョンファ フランク/ドビュッシー・ヴァイオリンソナタ
  • ティボーは別格として、ここには絶好調の頃の彼女の壮絶な美しさがある。その切れるような美意識と鮮やかな情感で光の中を駆け抜けるように通り過ぎていく音楽。
    チョン・キョンファ(鄭京和)、29歳の時に録音されたこのソナタ2曲は少々線の細い音質ではあるが女性的な繊細さと彼女ならではのダイナミックさが感じられる。
鄭京和が日本に登場したのは1971年のプレヴィン指揮ロンドン交響楽団来日公演のソリストとして前年に DECCA に録音したばかりのデビュー・アルバム、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を引っさげての登場だった。東洋人の少女が世界レーベルで録音したことは、当時においては眼を見張ることだった。日本からも多くの若手ヴァイオリニストを輩出していたものの、ヨーロッパのメジャー・オーケストラとの共演、ましてレコーディングなどは、まだまだ考えにくかったから当時の日本の音楽関係者は必ずしも韓国の新進女性ヴァイオリニストを素直には歓迎できなかったようです。
 しかし「レコード芸術」等の音楽雑誌に掲載されたチョン・キョンファに関する記事を読んでいて感じたものは、諏訪内晶子さんがチャイコフスキー国際コンクールで優勝し蘭PHILIPSから素敵なレコードが発売された時も似ていた。何かと嫉妬もあるのでしょうが、『音楽家』として見れないものでしょうかね。
 1977年ロンドンでの録音。この演奏は、まさに高麗青磁の危ういまでにつきつめた美しさを想わせるものです。ラドゥ・ルプーのピアノがまたとてもよい。ヴァイオリンの音色に寄り添うことに徹底している。その暖かい和声の光は、冷たいまでに硬質で精密な肌合いのチョンの美音をほのかに浮かび上がらせる。そして、そのリリシズムに満ちた響きが、次第にチョンの感情を高ぶらせ激情に狂わせているのです。
 だからといって、その音楽はあくまでも気高く気品に満ちています。それがドビュッシーだから尚更感じられることになったのでしょうが、これがリードとサポートでしょう。

通販レコード詳細・コンディション、価格

 チョン・キョンファ29歳の時に録音された、高麗青磁の危ういまでに線の細い硬質な音質ではあるが女性的な繊細さと彼女ならではのダイナミックさが感じられる。チョン・キョンファ絶頂期のフランスもの。
フランクのソナタは彼女のお気に入りの曲で、2017年に70歳を記念して発売されたアルバムでも披露しています。

1977年5月ロンドン、キングズウェイ・ホールでの録音。クリストファー・レーバーンのプロデュース、コリン・ムーアフットとジョン・ペロウの録音。

プロダクト

DECCA SXL6944 – Kyung-Wha Chung, Radu Lupu, César Franck, Claude Debussy ‎– Franck – Sonata In A Mojor For Violin And Piano, Debussy – Sonata For Violin And Piano

レコード番号
SXL6944
作曲家
セザール・フランク クロード・ドビュッシー
演奏者
チョン・キョンファ ラドゥ・ルプー
録音種別
STEREO
NARROW BAND ED4, STEREO 1枚組(110g), Release 1980, Stamper 1G/1G。

販売レコードのカバー、レーベル写真

GB DEC SXL6944 チョン・キョンファ フランク/ドビュッ…
GB DEC SXL6944 チョン・キョンファ フランク/ドビュッ…

コンディション

ジャケット状態
M-
レコード状態
EX++
製盤国
GB(イギリス)盤
SXL ナローバンド》ED4 スモール・ラベルと日頃は呼んでいます。ED1 から比べると中央の「FULL FREQUENCY …」の幅が狭くなり重量も軽くなります。ナローバンドが初版になる LP も多くあり、製盤技術、材質は安定していて再生の難しい ED1 と比べて再発盤でも初版より優れているケースも有ります。SXL 6435 と 6447 、6449 以降はナローバンドが初版となります。総じて価格は手頃ですが、SXL6529(メータ指揮ロス・フィル 「惑星」)、SXL6721(チョン・キョン・ファ バッハ パルティータ)等は高額です。この2枚はジャケットの痛みが激しくても一度は手元に置きたいと思うものなのでしょう。

オーダー・リンクと販売価格

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オーダーは 品番 / 34-24958
販売価格 11,000円(税込)

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DECCA黄金期を代表する名盤◉アルフレッド・ボスコフスキー、ウィーン八重奏団員◯ブラームス・クラリネット五重奏曲

DECCA黄金期を代表する名盤◉アルフレッド・ボスコフスキー、ウィーン八重奏団員◯ブラームス・クラリネット五重奏曲

通販レコードのご案内優秀録音として知られる素晴らしい名演です。

JP LONDON SLC1206 ウィーン八重奏団員 ブラームス クラリネット五重奏/ワーグナー クラリネットと弦楽五重奏のためのアダージョ

JP LONDON SLC1206
(演奏者)ウィーン八重奏団員 アルフレート・ボスコフスキー(クラリネット)
(曲目)ブラームス クラリネット五重奏 ロ短調 作品115/ベールマン(伝ワーグナー) クラリネットと弦楽五重奏のためのアダージョ

当時のウィーン・フィルの ―― Anton Fietz, violin; Philipp Mattheis, violin; Gunther Breitenbach, viola; Nikolaus Hubner, cello; Johann Krump, double-bass ―― 名手揃い。勿論、クラリネット独奏は高名ウィリーの弟アルフレッド、ウラッハの正式継承者としてウィーン・フィルを支え続けた名手。

淡々とした美しさを奥深い透明感で貫いて描ききる素晴らしい名演。ウィーンの名手達が弾力的なリズム感と固い構成感で全体を見失わせない実に上手い設計で聴かせてくれる。一貫して広がりを持った、豊かで伸びやかな感性に溢れている。

1961年4月録音

通販レコード詳細・コンディション、価格

プロダクト

レコード番号
SLC1206
作曲家
ヨハネス・ブラームス リヒャルト・ワーグナー
オーケストラ
ウィーン八重奏団員
録音種別
STEREO

販売レコードのカバー、レーベル写真

  • JP LONDON SLC1206 ウィーン八重奏団員 ブラームス …
  • JP LONDON SLC1206 ウィーン八重奏団員 ブラームス …

コンディション

ジャケット状態
M-
レコード状態
EX+
製盤国
JP(日本)盤
LONDON最初期FFSS, STEREO 1枚組 (190g) 重量盤, Release 1964, 輸入メタル使用盤 1D/1D 最初期スタンパー, 裏面最初期ブルーバック。

通販レコード

詳細の確認、購入手続きは品番のリンクから行えます。
  • オーダー番号34-24344
  • 販売価格2,200円(税込)

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これこそが音楽だ! フランス・ヴァイオリン音楽のリアリティを奏でるボベスコのエレガントをぜひ聴いて頂きたい

これこそが音楽だ! フランス・ヴァイオリン音楽のリアリティを奏でるボベスコのエレガントをぜひ聴いて頂きたい

ボベスコの〝静かなる人気〟

溌剌としてエレガントなモーツァルトは優美と品格を両立させた逸品で、バッハにおける憂いと優美さの絶妙なバランスは絶品。美音に止まらず、気高い心境が見事に音化されています。彼女の比較的珍しいレパートリー、ベートーヴェンでの熱気に溢れた表情豊かな演奏、いずれもフランス・ヴァイオリン音楽の気風が美しくたっていた。ボベスコはフランス、ベルギーといったフランス語圏での活動が主でした。当然レパートリーもフランスものが重要です。サン=サーンスにおける崩しのない高貴な貴婦人のような佇まいと姿形、得意とするルクーでの波打つような情感と洗練された気品の両立、そしてリラックスした雰囲気の中で1曲1曲が個性的に輝き、ときに優美な表情を浮かべる小品の数々、正に「音は人なり」を代表する演奏です。ルーマニア出身で、フランスで音楽教育を受け、ベルギーで演奏活動と教育活動を行っていたボベスコは、フランコ=ベルギー派の演奏伝統を受け継ぎ、守り抜いたヴァイオリニストであり、技巧的に完璧で、力強く立派な演奏を行う世界的大家とは異なる、長い演奏伝統に裏打ちされた気品と魅惑が彼女の演奏と舞台姿に備わっていました。長いキャリアを誇り、また1970年代以降は日本でもマニアから絶賛され来日もあったにもかかわらず、残された録音は限られたものでした。スタジオ録音、ライヴ録音ともに彼女の演奏が聴けることは音楽ファンの至福。レコード盤にはリサイタルで示したボベスコの魅力がいっぱいに詰まっています。
ルーマニア出身の女性ヴァイオリニスト、ローラ・アンナ=マリア・ボベスコ(1921~2003)は1980年1月、ひっそりと来日しました。それは音楽事務所を通した日本公演ではなく、今は亡き上田應輔さん(輸入レコード店の主人)ら地方に点在する熱心なファンの招聘で初来日したものでした。この初来日公演は大きな話題を呼び、翌1981年4月には早くも2度目の来日が実現。当時フィリップス・レコードを発売していた日本フォノグラム株式会社は彼女の録音を企画し、米テラーク・レコードから録音技師のジャック・レナーを招いて、3度目の来日時の1981年9月9日から19日にかけて埼玉県新座市民会館でLP5枚分のデジタル録音を行いました。それらの演奏はボベスコのパリ音楽院時代の同窓生、ピアノのジャック・ジャンティ(1921~)とのデュオによるものであり、二人はパリ音楽院時代からデュオを組み、1948年には結婚するが後に離婚。しかし離婚後もデュオを続けた長年の共演者です。SPレコード時代には屈指の大演奏家らが、地方のファンの招聘で演奏会を開き、日本での録音盤を置き土産に残していってくれました。ローラ・ボベスコの評判は、静かに音楽ファンに広がって今日の人気を確立しました。

優雅な音色の魅力が引き出された好選曲の逸品。レア盤です。

ルーマニア出身でフランスやベルギーで活躍した名ヴァイオリニスト、ローラ・ボベスコは、その人気に比べて残された録音はごく限られたものでした。これはベルギーのDUCHESNEレーベルへの円熟期の録音で、ボベスコらしい優雅な音色が引き出された好選曲の一枚。レア盤です。
ボベスコはまず音楽教師であった父からヴァイオリンの手ほどきを受け才能を開花させ、その後オークレールやヌヴーなどの師として有名なジュール・ブーシュリにヴァイオリンを学びます。パリ音楽院を首席で卒業。イッセルシュテット&ベルリン・フィルとブラームスの協奏曲で共演し、シュミット=イッセルシュテットに「これこそが音楽だ!」と言わしめるなど数々の伝説とともに華々しく活躍しました。
ボベスコの演奏スタイルは、自然でおおらかで、いわば往年の巨匠たちの美質を継承しているものといえる。ボベスコはフランス、ベルギーといったフランス語圏での活動が主でした。当然レパートリーもフランスものが重要です。このベートーヴェンも独墺系のヴァイオリニストの名演とは一線が引かれるが、独自の魅力を持っている。
ホアキン・ニン(1879-1949)は、キューバ生まれで、モーリッツ・モシュコフスキに学んだピアニスト兼作曲家。フランス、スペインで活躍しました。「四つの回想」は他に録音もない隠れた名曲。フランス風にセンス抜群な作曲に、燦々と降り注ぐスパニッシュ・エキゾチシズムが楽しい限り。ボベスコはこの曲を愛し各国で演奏しました。そしてぜひ聴いて頂きたいのがストラヴィンスキーの「イタリア組曲」。これは「プルチネッラ」のヴァイオリン版と言い切っても構わないもの。擬古典的なストラヴィンスキーの音楽は、作曲技法の神髄。イタリア・バロックの感覚と近代音楽の精神がこれほど幸福に融合した例もありません。鬼気迫るボベスコの熱演が凄まじく、麗しきヴァイオリニスト、ローラ・ボベスコの魅力がたっぷりと詰まった逸品です。

通販レコードのご案内BE DUCHESNE DD6011 ローラ・ボベスコ イェルク・ピノフスキー ベートーヴェン:ヴァイオリンソナタ8番、ホアキン・ニン:四つの回想、ストラヴィンスキー:イタリア組曲

  • ルーマニア出身でフランスやベルギーで活躍した名ヴァイオリニスト、ローラ・ボベスコは、その人気に比べて残された録音はごく限られたものでした。これはベルギーのDUCHESNEレーベルで録音されたライヴ録音ですが、驚くほど鮮明な音で、眼前で演奏されているような迫力に圧倒されます。
  • BE DUCHESNE DD6011 ローラ・ボベスコ ベートーヴェン:ヴァイオリンソナタ8番、ホアキン・ニン:四つの回想、ストラヴィンスキー:イタリア組曲|他
【収録曲】
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第8番 ト長調 Op.30-3
ホアキン・ニン(1879-1949):四つの回想
ストラヴィンスキー:イタリア組曲

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